ご挨拶
新潟大学大学院医歯学総合研究科 小児歯科学分野は、本州の日本海側唯一の国立大学法人歯学部の1分野として、昭和59年に誕生して以来、学生および大学院生の教育、主に地域のお子さんのお口に関わる問題の診療(支援)、およびこれらに関する研究を行ってまいりました。
新潟県は行政や歯科医師会などの積極的な取り組みの結果、平成23年歯科疾患実態調査における都道府県別12歳児一人平均むし歯数は0.68本(全国平均1.20本)で、12年連続むし歯が最も少ない県日本一に輝いています。このような状況の中でも、大学の診療室には、低年齢でむし歯を発症してしまったり、多くのむし歯を認められるお子さんもいらっしゃいます。
お子さんのお口の中の問題は、上記のようなむし歯だけに留まらず、歯肉の腫れ、外傷、かみ合わせの異常などが挙げられますが、最近は哺乳や離乳など食べる機能や食育に関する主訴も増えています。これらにつきましても当科はもちろん、同じ病院内にある他の専門診療科の先生方と円滑な連携をはかり、患者さんにとって最も必要で、かつ質の高い診療を行うよう心掛けております。
新潟大学医歯学総合病院では、平成24年11月に医系・歯系の外来診療室はともに新病院に移転いたしました。これを機にわたしども「小児歯科診療室」は室名を「小児歯科・障がい者歯科診療室」に変え新たにスタートいたしました。これまでも新潟県はまぐみ小児療育センターや新潟県コロニーにいがた白岩の里
等において長年に渡り歯科診療を担当しておりましたし、当診療室でも、年齢を問わず障がいをお持ちの方の受診をお待ちしております。本院では平成22年より歯科麻酔科と連携し、全身麻酔法や静脈内鎮静法を用いた一括歯科治療を始めております。また、新病院の外来診療室では、診療用個室も整備されており、周りの環境を気にせず、安心して診療を受けることができますので、障がいをお持ちの方や保護者・養育者の方にも受診しやすい環境が整っていると考えております。
新潟大学医歯学総合病院小児歯科・障がい者歯科診療室は、小児および障がいをお持ちの方の口腔環境および歯科医療水準の向上を図るため、これからも積極的に活動していきます。
新潟大学大学院医歯学総合研究科 小児歯科学分野
教授 早崎 治明